2019年08月19日(月)
音声検索の検索順位に影響する要素とは
ーSEMrush 2019年版調査結果ー
innet
※本記事は下記の記事を翻訳し、一部修正を加えたものです。
https://www.semrush.com/blog/voice-search-study/

音声検索を単にSEOにおけるバズワードとして片づけてしまうのはあまりにも過小評価な気がしますが、いかがでしょう。ほとんどのデジタルマーケターが動向を注視していますが、業界全体としてはまだこの生まれたばかりのテクノロジーに対して試行錯誤の段階にあり、最適な活用方法は見つかっていないように思えます。ただし間違いなく言えることは、音声検索が広く普及しているということです。それは、米国の家庭において現在、1億1,800万台のスマート・スピーカーが使用されているという報告からも明らかです。 最近では、成人の5人中2人が少なくとも一日に1回は音声検索の機能を活用しているとされ、2020年までに検索の半分がキーボードからマイクへ移行するであろうと多くの専門家が予想しています。

Googleは、Android Google Appにおける検索の20%が音声検索で行われていることを明らかにしました。また同社が先ごろ発表したところによると、(今年後半にリリースを控えている)Google アシスタントの新バージョンは、現行バージョンと比較して処理速度が10倍も速くなると言われています。音声検索の認識精度が現時点で95%の正確性を実現しているという事実を踏まえると、消費者はますます音声検索を利用していくことになりそうです。
この市場が今後数年間でどのように発展していくかを多くの専門家が予想しています。その中には、将来、数億円規模の市場に成長する、という驚くべき予測もあります。このような音声検索の将来予測に対してはこれから検証していく段階ですが、一つだけ確かなことがあります。それは、検索マーケティングに携わる者にとって、音声検索は決して避けては通れないということです。検索を取り巻く状況は、好むと好まざるとにかかわらず変化し続けており、言い換えれば、マーケターはこのような市場の変化が自分たちの戦略にどのような影響を及ぼすかを十分に知っておく必要があるのです。

今年に入って特に音声検索について非常に活発に議論が交わされていることから、SEMrushでは独自に調査を進めることにしました。
昨年、Backlinko社が詳細な調査を実施し、音声検索の背景にあるランキング要素が明らかになりました。中にはいくつか興味深い発見もありました。このレポートに触発された私たちは、より詳細にランキング要素を明らかにするため、どの要素が本当に重要なのか、そして音声検索がどのように進化しているのかを調べることにしました。

私たちが実施した包括的な調査には、2つの明確な目的があります:
1. Googleアシスタントが音声検索クエリに回答するために、どのパラメータを利用しているのかを理解すること。
2. 異なるデバイスから得られる検索結果を比較して、デバイス間でどのような違いがあるかを理解すること

音声検索の背後にある最も重要なランキング要素は何なのでしょうか?Google アシスタントは一体どんな情報を元にSERP(ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードの検索結果を表示するページ)の中から一つの回答を選び出しているのでしょうか?この問いに答えることを、私たちのミッションとしました。

■調査方法
私たちは3種類の異なるデバイスに対して、50,000個以上のクエリ(質問)を音声検索で実行し詳細な分析を行いました。クエリの作成にはSEMrushのAPIを活用し、音声検索を自動実行して回答を収集しました。さらにクエリに対するSERPを記録し可読性やページスピード、バックリンクの数、SERPの機能(強調スニペット、画像カルーセル、ナレッジパネルなど)などのさまざまなパラメータを分析し、音声検索のランキングに最も強い影響を与えている要素を検証しました。
3種類のデバイスにはGoogle Home、Google Home Mini、Xiaomi Redmi 6(すなわち、スマートスピーカーとAndroidスマートフォン)を使用し、Google アシスタントに対してクエリを実行しました。各デバイスに対して全く同じ方法で調査を行いました。より厳密な結果を得るため、同じ場所で実験を行いました。
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■主な調査結果
調査の結果、いくつかの重要な発見がありました。その中には3種類のデバイスで共通する結果と、スマートスピーカーとAndroidスマートフォンで明らかに異なる結果が得られたものがありました。

主な調査結果は、以下のとおりです。
音声検索の回答の約80%は、オーガニック検索の上位3位内に含まれる検索結果から得られています(Androidスマートフォンの場合は72%)。
音声検索に対する回答のうち、70%が何かしらのSERPの機能を有しています(そのうち、60%が強調スニペット)
バックリンクを分析する際に、Page ScoreとTrust Scoreは、いずれのデバイスでも、回答になったURLの方がやや高い数値を示しました。
Google HomeとGoogle Home Miniが回答に選んだURLのうち、50%以上のURLで、音声検索クエリとバックリンクのアンカーテキストまたはタイトルに含まれるキーワードが一致します。
得られた回答のテキストの長さは、どのデバイスもほぼ同じでした(平均して41ワード)。
文章はシンプルで、平均的な読者が理解できるレベルでなければなりません。(Flesch Kincaid Gradeで8程度)
すべてのデバイスにおいてページの読み込み速度は極めて重要です。ほとんどのクエリに対して、回答に選ばれたURLはその他のURLに対して読み込み速度が高速です。
Google HomeとGoogle Home Miniではバックリンクが(内部、外部含め)多い方が回答に選ばれやすい傾向があります。
回答に選ばれたURLの1/3以上でスキーマは使用されていませんでした。スキーマのバリエーションはさまざまで、AriticleとOrganizationが最も頻繁に見られますが、とりわけ多いわけではありません。 回答が得られないケースではスキーマの使用が顕著に見られる場合がありますが、何か特定のスキーマが支配的であるわけではありません。
HTTPSとURLの深さはGoogle アシスタントの回答にはほとんど影響しません。(これは無関係であるというよりは、ほとんどのページでHTTPSが導入されており、回答に選ばれたURLとそれ以外で差異がないためです)

■より詳細な音声検索の分析結果
調査を初めてすぐに明らかになったことがありました。それは、Google アシスタントの回答の97%がオーガニック検索の10位以内に表示されていた、ということです。したがって、Google アシスタントに選ばれるためには、オーガニック検索で1ページ目に表示されていることが必須条件になります。

■7つの重要な領域別に見た調査結果
<平均ワード数>
さまざまな質問文を収集した後(質問文は手動またはSEMrushのAPIを活用して作成)、これらは3つの異なる種類の質問に再構成・分類されました。例えば、”ポルトガルではどこを観光するべきですか?”というような一般的な質問もあれば、キーワードリストから機械的に生成された質問もありました(例: 「犬の寿命は?」「犬はペットとして飼える?」など、「犬」の部分を他の動物のリストに変えて機械的に質問文を作成しました)。
(→具体的な方法: https://www.semrush.com/blog/voice-search-study-methodology/
chart
音声検索から得た回答の平均的なワード数は、41.4ワードでした。3種類のデバイスではいずれも同様のワード数が報告されています。
Android系のスマートフォンを使ったケースでは、平均ワード数が最も多く、43ワードでした。ユーザーは、Google アシスタントから提供される音声に耳を傾けながらテキストを読むことができるため、スクリーンを追加することで、平均ワード数がやや高くなったものと思われます。
Google HomeとGoogle Home Miniで音声検索を行った場合に得られる結果の平均ワード数は、それぞれ41.4ワード、42ワードでした。Androidでは(音声の他に)画面も使えるためでワード数が43ワードと多くなりましたが、スマートスピーカーとワード数の差がほとんどないことから、画面の有無の影響は全体的には重要ではないと考えられます。

※SEMrush Inc. 会社概要
社名  :SEMrush Inc. https://www.semrush.com/
設立  :2008 年
所在地 :7 Neshaminy Interplex Ste 301, Trevose, PA 19053-6980 USA
代表者 :Oleg Shchegolev
従業員数:601 名(2018 年 11 月現在)
事業内容:SEMrush の開発、運用、管理、サポート
■株式会社オロ 会社概要
社名株式会社オロ https://www.oro.com/
創業1999 年1 月20 日
所在地東京本社 東京都目黒区目黒3-9-1 目黒須田ビル
代表者代表取締役社長 川田 篤
従業員数単体242 人 / 連結428 人(2019 年6 月30 日現在)
資本金1,185 百万円
事業内容クラウドソリューション事業
クラウド ERP「ZAC」「ZAC Enterprise」( https://www.oro.com/zac/ ) の開発・提供
クラウド PSA「Reforma PSA」( https://www.oro.com/reforma-psa/ )の開発・提供デジタルトランスフォーメーション事業
企業のデジタルマーケティング支援( https://www.oro.com/cd/ )
企業のグローバルコミュニケーション支援( https://www.oro.com/global/ )